2023年11月16日
日本の労働生産性はなぜ低い?生産性向上のためにできることを徹底解説!
日本は先進国の中でも労働生産性の低さが問題視されており、向上させることが求められています。
日本は真面目な働き者のタイプが多いはずなのに、「なぜ労働生産性が低いのか?」と疑問に思う点があるでしょう。
当記事で日本の労働生産性が他国より低水準で低い理由について紹介します。
また、向上が必要とされる理由も取り上げ、改善策についても徹底解説します。
日本の企業全体が真剣に考えて取り組まなくてはいけない問題なので、自社の状態に対しても目を向け考えるきっかけとしてみてください。
労働生産性向上はなぜ重要?定義と意義について
いま低い状態にある日本の労働生産性を向上させる重要性は、企業側・働き手側・社会それぞれの面であります。
意義と定義、世界との比較で「なぜ生産性を高めなくてはいけないのか?」を理解しましょう。
目次
労働生産性の定義
労働生産性は働く人が1人で作り出すことができた結果を数値として表したものです。
働く人1人の作業量で計算する他に、1時間で作り出した量を数値にしている場合もあります。
日本は働く人が1人で作り出す結果、1時間で作り出した量が少ないため、労働生産性が低いとされているのです。
2種類の数値化方法があり、物的生産性と付加価値生産性になります。
物的生産性は目に見える形で作り出された結果から測り数値にしたもので、以下の方法で計算が可能です。
- 働く人1人分の生産性を出すには「作り出した量÷働く人数」
- 1時間で作り出した分の生産性を出すには「作り出した量÷(働く人数×実際に働いた時間)」
付加価値生産性は原価を引き純粋な利益がどれくらい出たか数値にしたもので、以下の方法で計算が可能です。
- 働く人1人分の生産性を出すには「(売上 – 諸経費(原材料費などの費用類)÷働く人数」
- 1時間で作り出した分の生産性を出すには「(売上 – 諸経費(原材料費などの費用類)÷(働く人数×実際に働いた時間)」
物的生産性と付加価値生産性で数値化すると、自社の状態を把握しやすくなります。
なぜ労働生産性向上が重要なのか?
日本の労働生産性は企業の利益・働き手の労働環境・少子化による人材不足と直結するので、これらの問題解決のためにも向上させることが重要なのです。
自社で純粋な利益率が高いものを生産できなければ、他の企業に負けてしまい利益を伸ばせません。
働く人が1人で作り出せる結果や1時間あたりで作り出せる量が少ないと、働き手が職場で長時間働かなくてはならなくなります。
日本は少子高齢化で働き手がどんどん少なくなることが予想されており、限られた条件の中で効率良く生産できるようにならないと人材不足に対応できなくなるためです。
労働生産性が低い状態が続いたままだと、企業の成長促進・働き手の負担軽減・人材不足解消も望めません。
日本と世界の労働生産性の比較
OECD(経済協力開発機構)が2021年分で調査したデータを元に日本と世界を比較すると、日本の生産性は同じ先進国であるアメリカの労働生産性の6割程度とされています。
1時間で作り出した量を数値化したものでアメリカは「85.0ドル(日本円で約8534円)」、それに対して日本は「49.9ドル(日本円で約5006円)」です。
働く人が1人で作り出すことができた結果を数値化したものの場合では、日本は「8万1510ドル(日本円で約818万円)です。
同水準の国はニュージーランド「8万5383ドル(日本円で約857万円)」、ポーランド「8万5748ドル(日本円で約861万円)」になります。
順位はOECD加盟の38カ国の中で見ると、1時間で作り出した量を数値化したもので27位、1人で作り出すことができた結果を数値化したもので29位と低いです。
日本の労働生産性が低い原因3選
日本の労働生産性が低い主な原因は、労働環境の問題・人材の使い方・企業側の姿勢です。
直接的な原因となる3選を解説します。
①長時間労働文化
日本企業は昔から残業してまで働くことを推奨している部分があり、いまなお定時以降も働く長時間労働文化が根付いています。
近年は仕事のし過ぎによる病気罹患や過労死などが問題となっているため、多少は長時間労働への対策が取られるようにはなってきています。
それでも定時では帰れず職場に残って働く人は多く、1日の仕事の拘束時間が長くなることで働く人1人当たりの生産性は低くなりやすい結果となります。
仕事に費やす時間が増えれば心身ともに疲れてしまい、帰宅する時間も遅くなるので睡眠時間も短くなります。
日々の疲労が蓄積され続ける状態が続けば業務にも集中できなくなり、1人1人が生産できる仕事の量はどうしても少なくなってしまうのです。
②人材の適切な配置とスキル不足
日本企業は自社の人材をどう配置するかやどうスキルを伸ばしていくかが、どちらかといえば不得意な方だと言えます。
人材の適切な配置ができていなく人材がスキル不足になりやすいため、労働生産性の向上が難しい現状となります。
現場の業務対応に必要な数の人材の配置や能力に合う部署への人材の配置ができないと、仕事の効率が下がりやすくなります。
自社の人材に業務に必要なスキルの指導や十分な研修時間を行っていない企業も少なくないため、働く人がスキル不足で業務をすることになりやすいです。
人材にスキルがしっかりついていないと仕事でつまずく場面が出てしまい、スムーズに業務が進まないため労働生産性が落ちてしまいます。
企業による人材の適切な配置や積極的なスキル習得の促進は、労働生産性の向上のために欠かせません。
③企業のイノベーション不足
新しい仕組みや考え方を取り入れることに積極的ではない企業のイノベーション不足も、日本の労働生産性を低くしている大きな原因です。
企業が成長するには新しい風を拒まず受け入れる姿勢が必要であり、従来のやり方や考え方に囚われていると成長できずに停滞したままになりやすいです。
新しいビジネスモデル・新しい技術・業務促進に役立つツールなどを積極的に取り入れる企業の方が、生産性が向上していき成長していけます。
企業のイノベーションは必ずしもうまくいくと言えないので、取り入れるのに二の足を踏む会社が多いのも仕方ないことではあります。
労働生産性を向上するのにイノベーションの取り入れはメリットがあるので、企業側はチャレンジ精神を発揮した方が良いです。
労働生産性を向上させるための5つのポイント
日本の労働生産性を向上に導く改善策として、効果が高い5つのポイントを紹介しましょう。
①業務の効率化
業務を効率化すると誰でも仕事がしやすくなるので、労働生産性も自然と向上していきやすいです。
業務効率化の方法としておすすめしたいのが、やり方の標準化・情報や資料のデータ化です。
作業内容をマニュアルなどにして標準化しておけば、やり方が統一されるので作業の流れがスムーズになります。
仕事で使う情報や資料をパソコンのデータに記録しておくと、分からない部分をすぐに自分で検索してチェックできます。
②テクノロジーの活用
RPAツールなどのテクノロジーを活用すると、人の手で行っていた作業を軽減できます。
自動化することができる業務は主に入力作業、内容のチェック、分析、データ連携などになります。
人の手で行えば時間がかかる作業もテクノロジーの力に任せれば、自動で素早く作業を行ってもらえるのです。
1日中稼働させることも可能なので、事務関連の業務はかなりの範囲を自動化できるようになるでしょう。
③働きやすい環境整備
自社の人材が働きやすい環境整備に力を入れると、労働生産性も向上されやすくなります。
9時から18時まで勤務する働き方を重視するばかりでなく、フレックスタイム制のように月ごとに決まった時間内でバランスを取りながら働けるようにするなど柔軟にしましょう。
出社にこだわらない働き方を取り入れることもおすすめで、自宅で働けるリモートワークは介護中や育児中の人にとっても働きやすいです。
働く人それぞれが快適に仕事がしやすい環境作りをしてあげれば、整備する前と比べると生産性の部分に変化が見られるはずです。
④スキルの向上と教育
働く人が1人で作り出すことができる結果を向上させるには、何よりも1人1人のスキルを向上させ教育に力を入れることが重要です。
スキルの向上と教育にはある程度の費用や手間がかかるので、企業側にとっては負担となる面があるでしょう。
自社の人材がしっかりと育ち戦力になれば、最終的には企業にとってプラスとなります。
優秀な働き手が揃うと社内全体の労働生産性がどんどん向上されていき、企業の業績もうなぎのぼりの状態になることが期待されます。
⑤アウトソーシングの活用
早急に労働生産性を向上させる奥の手となるのは、アウトソーシングの活用になります。
自社で行っている業務の一部を事務代行サービスなどアウトソーシングに委託して、作業の負担を減らし重要な業務のみに集中しやすくしてみましょう。
事務代行サービスが用意するスタッフは、特化したスキルを持つプロフェッショナルです。
アウトソーシング経由で依頼する仕事の成果は信頼できるので、外部のサービスを利用した向上も考えてみてはいかがでしょうか。
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【出典:cocrea Biz(コクリエビズ)|C-design】
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プラン名 | ライト | スタンダード | カスタム |
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実働時間 | 10時間 | 20時間 | – |
支払い | 1ヶ月分前払い | 1ヶ月分前払い | 1ヶ月分前払い |
【参照:cocrea Biz(コクリエビズ)|C-design】
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まとめ
日本の労働生産性の状態は企業の利益・働き手の労働環境・少子化による人材不足にも関わり、低い状態にあれば日本社会全体にとって良くありません。
労働生産性が低いのは長時間労働文化、人材の適切な配置ができていないこととスキル不足、企業のイノベーション不足が原因となっています。
向上させるには原因解決に繋がる以下の5つのポイントを押さえましょう。
- 業務の効率化
- テクノロジーの活用
- 働きやすい環境整備
- スキルの向上と教育
- アウトソーシングの活用
労働生産性は自社にとっても重要な課題であると考え、真剣に向上について考えてみてください。